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少子化とはなにか

現代の社会が抱える深刻な問題のひとつに、「少子化」というものがあります。「少子化」は文字通り、「子どもが少なくなって着ているという社会現象です。

子どもが少なくなるとどうなるのかというと、十数年先、成人する人が少なくなります。成人する人が少なくなるとどうなるのかというと、「働ける大人が少なくなる」ということです。これがどういうことを意味するか、想像ができるでしょうか。

ある人は、「就職難なのだから大人が少なくなっても良いのではないか」と言う人もいるかもしれません。ですが、それは間違っているのです。働ける口がないということは、それだけ経済状態が良くないということです。現代は国際的にビジネスを行うことが当たり前です。製造業では生産したものを輸出したり、また部材を輸入したりするものですし、食品も同様です。海外との関わりは、私たちの経済活動の大部分を占めています。そのため為替は物価に深く影響します。日本を一つの「企業」として考えてみればいいでしょう。

その「日本」の価値を、「会社」に置き換えて考えてみればいいのです。「大企業」とはどのような会社でしょうか。多くの社員を抱え、それらの社員が生きていけて、且つビジネスを拡大できるだけの収益をコンスタントに上げている、そして人々の生活を左右するようなものを開発していたり、販売していたりするものです。

人数が少ないけれど売り上げ、利益が大きな会社というものも注目されます。低コストで大きな利益を得られることは大変なことです。ですが、社員を増やす余裕はないということであれば、その恩恵を得られるのは一部の人だけです。社会にとって「良い会社」というものは、ひとりでも多くの人の生活を支えられるような、「働ける会社」です。そして何物にも変えられない「マンパワー」、つまり「人手」は、ただ労働力が増えるというだけではなく、その数だけの「アイディア」や「ビジネスチャンス」を産むものなのです。

そのような状態を「良い」とするならば、絶対的に働き手が少なくなってしまう「少子化」という現実ははたして「良い」のでしょうか。ビジネスを考える人が少なくなってしまうということ、そして現在では「就職したい人」をある意味厳選できる環境にあるのに、「誰でも就職できる」という「甘さ」は、未来の日本のためになるのでしょうか。

厳しいようですが、私たちは「競争」することで「成長」できるのです。ただのんびりしているだけでは仕事はできないものですし、収入も得られません。だから日々学び、自分を磨き、成長しようとするのです。成長をやめるということは、「それ以上」の未来はないということです。毎日同じことだけを繰り返しているのでは、到底辿りつけない境地があるのです。

少子化だからといって未来の青年がみんな仕事を得られるのかというと、それは疑問です。現在の社会構造、経済構造が縮小しただけで、やはり就職難は継続しているかもしれません。会社は学校とは違うからです。会社自体、生き残るために必死だからです。技術革新は、私たちに便利な仕事環境を与えてくれたかわりに、「効率化」という副産物で「人がいらない」環境をどんどん作り上げています。その中で、「人間」は何をすべきなのか、ということが問われている社会になってきているのです。